IT・AI導入の前に考えるべきこと──「見える化」がすべての出発点!

近年、介護業界でも「IT化」「DX(デジタルトランスフォーメーション)」「AI活用」などのキーワードが盛んに聞かれるようになってきました。政府や自治体による支援制度も充実し、現場にテクノロジーを取り入れる動きが活発化しています。
しかし、ここで一度立ち止まって考えるべき大切なことがあります。
それは──
「まずは現場の現状を正確に把握すること」、つまり『見える化』が何よりも重要だということです。
なぜ「見える化」が必要なのか?
「見える化」とは、業務の流れや職員の動き、時間の使い方、サービス提供の内容などを、誰が見ても分かるようにデータ化・可視化することを指します。
これが不十分なままITやAIに頼ろうとしても、何を改善すべきか、どこに負担が集中しているのかが曖昧なため、思うような成果につながらないケースが少なくありません。
たとえば:
- 「日々忙しいが、どこにどれだけ時間がかかっているのか分からない」
- 「誰がどの業務をしているのか、職員ごとの役割が曖昧」
- 「無駄がある気はするが、どこをどう改善すればいいかが見えない」
これらの課題をクリアにするには、まず現場の“見える化”が欠かせないのです。
見える化のメリット
- ボトルネックの把握:どこに時間や手間が集中しているか明確になります。
- 職員間のコミュニケーション強化:情報が共有され、チーム全体での課題認識が揃います。
- 改善の優先順位づけ:限られたリソースで何から手をつけるべきか判断しやすくなります。
- 将来のIT導入がスムーズに:必要な機能や導入効果が明確になるため、無駄のない投資が可能に。
「見える化」からはじめる、無理のない改善の第一歩
デジタル化やAI導入は魅力的な選択肢ですが、その前に「自分たちの現状をきちんと把握する」ことが重要です。紙のチェックシートやホワイトボード、Excelなど、まずは身近なツールで始めることも十分意味があります。
現場の声に耳を傾け、小さなことから着実に「見える化」を進める──
それが、本当に効果のある業務改善やIT活用の土台となるのです。
「見えないものは、改善できない。」
この言葉を胸に、まずは現状の見える化から一歩を踏み出してみませんか?